■はじめに:なぜ「AI音楽 × YouTube収益化」が最大の論点なのか
2023〜2025年で、Suno・Udio・音楽生成AI・AIボーカルの普及により
YouTubeへAI音楽を使った動画を投稿するクリエイターが急増 した。
しかし、同時に次のような悩みが一気に増えた。
- AI音楽って著作権あるの?
- 他人が作ったAI音楽を使うと収益化できない?
- Content ID で弾かれたらどうすればいい?
- フリーBGMよりAI音楽の方が危険なの?
- 自分が作ったAI音楽なのに “他人の著作権で検出” されるのはなぜ?
結論から言えば、
AI音楽でYouTube収益化は可能だが、正しい知識を持っていないと一発アウトになる。
実際、2024〜2025年には
「AI音楽の誤検出」で広告が停止するケースが急増している。
本記事では、専門的な視点から
“YouTube収益化におけるAI音楽の正しい扱い方”
を体系的に解説する。
AI音楽とYouTube収益化の仕組みを理解するにあたり、実際にAIが生成した音源を確認しておくと本記事の内容がより明確に把握できる。国内ではAI音楽を体系的に公開し、商用利用の可否やContent IDとの相性を確認できるライブラリも展開されている。
1500曲以上のAI生成音源を無料で視聴できるため、「どの程度の類似判定が起きやすいのか」「BGM系と歌ものではリスクがどう違うのか」など、収益化の観点で比較する際の参考になる。
▶️ AI音楽ライブラリ(商用利用可)
https://www.aibgm.jp/
第1章:AI音楽でYouTube収益化は可能なのか?【結論:条件付きでYES】
まず結論。
YouTubeの収益化ルール上、
AI音楽を動画に使っても収益化は可能。
YouTubeの公式ポリシーでは
「AI生成音楽=収益化不可」という記述は一切ない。
しかし、Google側がもっと重要視しているのは次の点である。
● YouTubeが本当に気にしている3つのポイント
- 利用権(ライセンス)を持っているか
- Content ID で他者の権利として検出されないか
- フリー素材やAI素材の丸投げ動画ではないか
あなたがどんなに合法的に使っても、
Content ID が「他人の権利だ」と誤判定した瞬間、広告は止まる。
つまり、
「規約上はOK」
「システム上はNGの場合がある」
というのが最大のポイントである。
第2章:AI音楽で収益化できなくなる“最大の落とし穴”はContent ID
■ Content IDとは何か?
YouTubeが世界中の音源をデータベース化し、
アップされた動画に権利侵害がないか自動判定するシステム。
年間数十億回以上稼働している“巨大な自動監視AI”だ。
■ AI音楽がContent IDで検出される理由
実務で多いのは次のパターン。
- ① 他のユーザーが同じAI音楽をアップし、先にContent ID登録した
- ② AI音楽が既存曲に似ていると誤検出される
- ③ AI音楽サービスが音源をContent IDに登録するケース
- ④ AI音楽は著作権がないのに、なぜ他人に取られるのか?
- ● ① 無料プランは商用利用不可(規約違反になる)
- ● ② 無料プランは著作権/利用権が弱い
- ● ③ 無料プランはContent IDの誤検出率が高い
- おすすめの記事
- Q1. AI音楽をYouTubeで収益化する場合、最初に確認すべきことは何ですか?
- Q2. 自分で作ったAI音楽でも収益化停止になるのはなぜ?
- Q3. YouTubeでAI音楽を使う場合、最も危険なジャンルは?
- Q4. AI音楽を使ったYouTube動画で、もっとも多いエラーは?
- Q5. “異議申し立て”は有効ですか?勝てますか?
- Q6. Suno・Udioの有料プランなら安心ですか?
- Q7. AI音楽でYouTube収益化する場合、もっとも安全な使い方は?
- Q8. ShortsではAI音楽を使っても収益化に安全ですか?
- Q9. 「AI音楽だけで作った動画」は収益化に不利になりますか?
- Q10. YouTubeでAI音楽を使った動画が問題なく収益化される“条件”は?
- Q11. 今後、AI音楽のYouTube収益化はどう変わる?
① 他のユーザーが同じAI音楽をアップし、先にContent ID登録した
AI音楽は“同じプロンプトで似た音源が生成される”ため、
他人が登録 → 自分が後にアップ → あなたの動画が違反扱い
という地獄パターンが起きる。
② AI音楽が既存曲に似ていると誤検出される
AI音楽は膨大なデータを学習しているため、
“コード進行・メロディライン” が既存曲と似てしまい、
Content ID が誤検出することがある。
これは
あなたが悪くなくても起きる。
③ AI音楽サービスが音源をContent IDに登録するケース
Soundraw など一部サービスは有料ユーザーの音源を
Content ID 管理することがある。
これもあなたの収益を止める原因になる。
④ AI音楽は著作権がないのに、なぜ他人に取られるのか?
AI音楽は著作権がない=誰の著作物でもない。
しかし YouTube では
“著作権の有無” ではなく “登録データ” が優先
される。
つまり、
Content ID に登録していた者が「権利者」として扱われてしまう
という構造により、
権利を持たないはずの第三者が収益を奪う現象が起きる。
これがAI音楽最大のリスク。
第3章:AI音楽の「商用利用」と「収益化」は全く別の問題
■ 商用利用=規約上の問題
Suno、Udio、Mubertなど“商用利用OKの範囲”は規約で決められる。
しかし
■ YouTube収益化=Content IDの問題
規約がOKでも、Content ID がNGと言えば収益化不可。
第4章:無料AI音楽はYouTube収益化に“もっとも向いていない”
理由は3つ。
● ① 無料プランは商用利用不可(規約違反になる)
Suno
Udio
Mubert
その他多数
無料プランはすべて収益化=商用利用不可。
● ② 無料プランは著作権/利用権が弱い
無料プランでは
“動画制作で収益化に使える権利”
を付与していないことが多い。
● ③ 無料プランはContent IDの誤検出率が高い
理由:
- 世界中の無料ユーザーが同じ音楽を生成してしまう
- その誰かが先に登録したら終わり
- あなたの動画だけ収益が止まる
これが一番危険。
第5章:YouTube収益化を安全に行う方法【実務ベース】
■ 方法1:商用利用ライセンスが明確なサービスを使う
例:
- Suno 有料プラン(※動画収益化OKの範囲要確認)
- Soundraw(商用OKだがContent ID管理あり)
- AIVA Pro
規約を理解することが最重要。
■ 方法2:音源を「自分で管理できる環境」で作る
- ローカル音楽生成AI
- 生成した音源の管理ファイルを保持
- 他者がContent ID登録しても異議申し立て可能
■ 方法3:YouTube収益化向けに最適化された“著作権クリアな音源”を使う
AI音楽は便利だが、
フリーBGMやライブラリ系音源の方が
Content IDのリスクが圧倒的に低い。
収益化重視のクリエイターは
AI音楽=メイン
著作権フリー音楽=安全運用
の2本を使い分けるのが最適。
第6章:収益化に使う場合の注意点
● アレンジだけ変えても他人の権利として検出される
AIは学習データから似たパターンを生成するため、
“自分で作ったのに自分の曲がContent IDに引っかかる”
という理不尽なケースがある。
● 歌ものAI音楽は危険度が高い
- ボーカルの音質
- メロディ
- コード進行
が類似しやすく、誤検出の危険性が高い。
● YouTube Shorts は安全ではない
Shorts は“収益モデルが特殊”なだけで、
Content ID 判定は通常の動画と同じ。
第7章:収益化でトラブルを避けるための最終チェックリスト
【チェック項目】
- 無料プランのAI音楽は使っていないか
- 商用ライセンスを保持しているか
- エビデンス(生成日時・ファイル)を保存しているか
- 危険度の高いジャンル(歌もの)を避けているか
- フリーBGMとAI音楽を使い分けているか
- 動画公開直後にContent IDの警告が出ないか
- 異議申し立ての手順を理解しているか
第8章:AI音楽で収益化は可能だが“誤検出”への理解が必須
AI音楽は
正しく使えば収益化できる。
しかし、
誤検出が最大の敵であり、最も多い失敗パターン でもある。
規約だけではなく、
YouTubeの“自動判定AIの癖”まで理解することで、
ようやく安全運用が成立する。
2025年以降はAI音楽の利用がさらに増え、
誤検出トラブルは確実に増加するため、
クリエイターには“仕組みの理解”が求められている。
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Q & A(YouTube収益化 × AI音楽)】
Q1. AI音楽をYouTubeで収益化する場合、最初に確認すべきことは何ですか?
最重要項目は 「商用利用ライセンス」 と 「Content IDのリスク」 の2点です。
- 商用利用ライセンス(規約)
→ SunoやUdioの無料プランでは商用利用不可。
→ 有料プランでも権利範囲が細かく分かれているサービスがある。 - Content ID(システム判定)
→ あなたの生成したAI音楽が、既存の音楽または他ユーザーのAI音楽と
類似していると判定されると“収益化停止”になる。
YouTubeの審査は「規約がOKか」より「Content IDがOKか」の方が圧倒的に重い。
ここを理解していないと収益化動画が量産できない。
Q2. 自分で作ったAI音楽でも収益化停止になるのはなぜ?
原因は AI音楽に「著作権」という概念がないから。
著作権がない=「あなたの作品」ではない
YouTube上では以下の順番で判定される。
① Content ID のデータに一致するか?
② 一致する“先に登録した人”を権利者として扱う
③ あなたは「著作権侵害した側」と判定される
つまり YouTubeは 実際の権利者ではなく、データベース上の“登録者”を優先する。
AI音楽ゆえの最大の罠。
Q3. YouTubeでAI音楽を使う場合、最も危険なジャンルは?
明確に危険なのは 歌もの(ボーカル入り)。
理由:
- メロディ類似判定の精度が非常に高い
YouTubeの音声指紋(fingerprint)は、ボーカルを特に強く検出する。 - 同プロンプト生成の“似曲”が大量発生
似た歌詞・似たメロディ・似たコード進行が生成されるため、
他人の動画が先にContent ID登録されるとあなたが引っかかる。 - AI英語ボーカルはパターンが偏りやすいため誤検出が多い
歌ものAI音楽は
YouTube収益化にもっとも向かないジャンル と言える。
Q4. AI音楽を使ったYouTube動画で、もっとも多いエラーは?
圧倒的に多いのは以下の2つ。
● Claim(著作権の申立て)
他人のContent IDが“あなたの動画の収益”を奪う現象。
● Copyright Match(類似音源の検出)
メロディやコード進行が近いため、自動判定で類似音源として止められる。
AI音楽を扱う限り、自分のせいでなくても発生する。
Q5. “異議申し立て”は有効ですか?勝てますか?
結論:勝てる場合はあるが、AI音楽は立証が難しい。
異議申し立てに必要なもの:
- 生成した日時
- 音源のオリジナルファイル(wav/mp3)
- 利用したサービスの利用実績
- 商用利用ライセンス(プラン内容)
- あなたがプロンプトを作成した証拠
しかし、AI音楽は
“著作権の所有者=存在しない”
という特性があるため、
YouTube運営は非常に慎重になり、判断に時間がかかる。
Q6. Suno・Udioの有料プランなら安心ですか?
結論:無料より安全だが、100%ではない。
安全度:
- 無料プラン → 地雷級(商用不可&誤検出率最高)
- 有料プラン → 収益化は可能だが誤判定リスクは残る
特にSunoは2024〜2025年でユーザー数が爆発したため、
「似た曲が大量に出回る」傾向があり、
それがContent ID誤検出の原因になっている。
Q7. AI音楽でYouTube収益化する場合、もっとも安全な使い方は?
これが実務的な結論。
【安全度トップ】
フリーBGM・著作権クリアな音源をメインに使う
AI音楽は“演出強化のアクセント”としての限定使用。
【安全度中】
Suno/Udioの有料プラン(歌なし・短尺ループ中心)
【危険度高】
歌ものAI音楽をそのまま動画に使う
収益化する動画では
「音楽の安定性>AIの面白さ」が最優先になる。
Q8. ShortsではAI音楽を使っても収益化に安全ですか?
Shortsだから安全という噂は完全な誤解。
YouTube Shortsも Content IDはフル稼働 しており、
通常動画と同じように判定される。
ただし、
“ショート動画の収益体系が違うだけ”
であり、著作権リスクは変わらない。
Q9. 「AI音楽だけで作った動画」は収益化に不利になりますか?
はい。
YouTube公式ガイドラインには、
- 「価値を付加しないリサイクルコンテンツ」
- 「素材を組み合わせただけの動画」
- 「生成AIコンテンツのみで構成された動画」
などが収益化不可の対象として明記されている。
AI音楽をそのまま流すだけの動画は
収益化審査に通らない可能性が高い。
Q10. YouTubeでAI音楽を使った動画が問題なく収益化される“条件”は?
以下を満たすと成功率が大幅に上がる。
- 商用ライセンスを持っていること
- 歌ものを避ける(ループBGM中心)
- 複数のAI音楽を混ぜず、1曲に統一
- 音量を調整し、過度な原曲主張を避ける
- 生成ファイルの保存(証拠保全)
- 動画自体に固有の価値(解説・映像・撮影素材)がある
- 著作権表記・利用サービス名の控えを持つ
これらを押さえれば、
AI音楽による収益化成功率は80〜90%まで上がる。
Q11. 今後、AI音楽のYouTube収益化はどう変わる?
2025〜2027年の予測としては:
- AI音楽の誤検出は増える(ユーザー急増のため)
- YouTubeは生成AI向けの新しい審査レイヤーを導入する可能性が高い
- “AI音楽の安全な使い方”が専門スキルとして確立する
AI音楽は収益化できるが、
“専門知識が必要な領域”に完全に突入している。


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